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今月18日にスコットランドでは、イギリスからの独立の是非に関する住民投票が実施されます。この住民投票の結果は、英国はもちろん、欧州全域や世界に大きなインパクトを与える可能性があるとして、いま注目されています。
スコットランド住民投票 2014年9月18日実施
通称イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの構成国からなる「連合王国」です。この連合王国のひとつであるスコットランドが、1997年の住民投票で独自の行政府を持つことを選択し、イギリスからの独立を問う住民投票(2014年9月18日)実施に向けた計画を進めていました。
スコットランドでは投票が近づく中、連日のように独立賛成派や反対派の会合が開かれ、独立賛成派は、「自分たちの政治をとりもどそう」「独立国となれば北海油田の富などでより豊かな国になれる」と主張。一方、反対派は、「英国全体のことを考えるべきだ」「一緒にいるからこそ強くいられる」などと反論。両者の意見が対立しています。
スコットランドの独立の可能性、そして、ポンド通貨
スコットランド住民投票は反対派の勝利が予想され、マーケットへの大きな影響はないと予測されていました。しかし、最近の世論調査では独立賛成派が反対派を猛追との報道もあり、市場関係者は警戒感を示しています。
独立賛成派が勝利した場合は、イギリス政府は独立派勝利を前提とした準備をほとんどしていないことから、短期的に経済的混乱や通貨問題などマーケットに大きなインパクトを発生させる可能性があります。
ポンド通貨については、独立賛成派は、イギリス政府と通貨同盟を締結してポンドを独立後も使用すると主張している中、イギリス政府は「ポンドは使わせない」との意向を表明していることから「ポンドマーケット」に要注目です。
8月13日には、イングランド銀行(英中央銀)のカーニー総裁が、スコットランド独立の場合は「金融安定上の問題」が生じる可能性があり、その際は「広範な手段と計画がある」と述べ、緊急対策を検討していることを明らかにしています。
独立賛成派が勝利したら? 現実的ではない課題が山積み
今回の住民投票でスコットランド独立賛成派が勝利した場合、通貨や医療保険制度の問題、北海油田の所有権など、独立へ向けて課題が山積みです。
北海油田の所有権については、住民投票で独立賛成派が勝利して初めて、英国政府とスコットランド政府の話し合いが始まるため現状では何も決まっていません。
これらの課題を独立までの短期間に解決しなければならない等の混乱の嫌気から、投票直後は短期的にポンド売り円高となる可能性が高いかもしれません。しかし、スコットランドの独立がイギリスにとって有利なのか不利なのか、現時点での影響は不透明なことが多いだけに、ポンドマーケットへの影響も不透明なのが実情です。
スコットランド住民投票、
今後の行方、結果次第ではポンド相場にとっては波乱材料にも
独立の是非を問う歴史的住民投票は9月18日!
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