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竹川先生の投信アドバイス こんなとき、どうすればいいの? 投資信託を持っていると誰もがぶつかる不安や疑問。対処法を竹川美奈子先生に伺いました。

竹川美奈子氏プロフィール

どうすればいい? 買った投信が下がったら やってはいけないこと、改めて考えたいこと

2011年は欧州の債務危機問題により、市場には不安心理が広がり、世界の主要な株式市場は大きく下落しました。また、米ドル安円高・ユーロ安円高に振れたことで、海外の株や債券に投資したお金が目減りしてしまったという方も多いでしょう。投資をしていると、2008年のリーマンショック、今回の欧州債務問題などにように、短期的に株価が大きく変動することもあります。

こうしたときに怖くなってやってしまいがちなのが、以下の2つです。

  • 最悪期に慌てて解約してしまう
  • 月々の積み立てをストップしてしまう

しかし、これらは必ずしもよい選択とはいえません。下がっているとき解約してしまうと、「損」を確定させることになってしまいます。下がったときに積立を中断するのも得策ではありません。「暴落時はたくさんの口数を購入できる=平均購入単価を下げられる」という作用が働くわけですから、むしろ下がった時こそ「継続する」ということが大切になってきます。もっとも、1つの国・地域などに集中投資していると10年間下がりっぱなしという場合もあります。あくまでも国際分散投資をしているというのが継続の前提です。

では、このような不確実性の高い時期にどのように対応したらよいでしょうか。

値下がり幅を抑えるために分散投資を徹底

最近は分散投資をしていても「下がるときには一緒に下がるではないか」という声もきかれます。たしかに、暴落時などは地域や資産を分散しても同じ方向に動くことが多くなりました。けれど、1つの会社や1つの国に集中投資をするのに比べたら、値下がり幅は限定的です。この「なるべく下がらない」ということは非常に大切で、その後に相場が回復したときに元本を回復できるかどうかのカギを握っています。

たとえば、投資していた100万円が暴落によって50%下落し、半分の50万円に減ったとしましょう。このあと、値下がり幅と同じ50%上昇してもお金は75万円にしかなりません。100%上昇(=2倍)にならないと100万円には戻らないのです。

リーマンショック時の例

  分散投資 集中投資
国内外の
株式・債券
先進国株の
インデックス投信
ある新興国1国に投資する株式投信
値下がり幅 ▲30% ▲55% ▲70%
元本回復に必要な値上がり幅 約1.4倍 約2.2倍 約3.3倍

国内外の株式・債券に同額ずつ分散投資をしていた場合、リーマンショック時に約30%値下がりしましたが、この場合は約1.4倍の上昇で元本を回復できます。一方、集中投資ではどうでしょうか。例えば、先進国株のインデックス投信の場合、約55%下落したため、元本回復には約2.2倍の上昇が必要です。約70%下落した、ある新興国1国に投資する株式投信だと約3.3倍に上昇する必要があります。

このように、相場回復後を考えると「値下がり幅が小さい」ほうが有利に働くのです。

また、自然災害やテロ、企業の不正行為などは、いつ、どこで起こるかわかりません。大打撃を受けないためにも、資産形成の核となる部分については「日本だけでなく、海外も」、海外は「先進国だけでなく、新興国も」という具合にグローバルに分散しておく必要があるでしょう。

ルール化する

感情で考えてしまうと、暴落時には怖くなって「解約してしまいたい」と考えがちです。そこで、投資の目的や運用期間、おおよその目標額などを確認したら、あとはルールを決めて、それを淡々と実行するのがいちばんです。たとえば、1年に1回時価をチェックし、当初決めた比率から大きくずれていたときにだけ、配分が元に戻るように調整する(リバランスといいます)。それ以外は積み立てを実行する――など、自分なりのルールを決め、あとは淡々と実行しましょう。

投資に充てていいお金をすべて投資に回してしまうのではなく、ある程度の現金を手元に残しておくという方法もあります。そして、大きく下がったときに投信を買い増すのです。そうすることで、購入単価を下げることができます(こちらは投資に慣れてきた人向けです)。

いずれにしろ、暴落してから考えていては遅いので、「こういう場合はこうする」というルールを先に決めておくことが非常に大事です。

投資の目的、期間、資産配分を再確認

最後に、長期の運用に耐えられる資産配分を決めて、みだりに方針を変えないということが大切です。下げ相場でもっとも避けたいのは、損を取り返そうと思うあまり、普段だったら絶対に選ばないような金融商品に手を出したり、ことさらにリスクを高めてしまったりすることです。相場には波があります。いいときも、悪いときもマイペースで続けていけるだけの「投資金額」「資産配分」「商品選び」を心がけましょう。

定期的に見直そう5つのチェックポイント

  • 投資の目的や目標額を決めている?
  • 運用期間を決めている?
  • 暴落時にドキドキして眠れないほどの金額を投資していない?
  • 自分のアセットアロケーション(資産配分)を把握している?
  • 購入している商品は、地域や資産(株や債券、コモディティ、不動産投信など)が偏っていない?

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プロフィール

竹川 美奈子(たけかわみなこ)氏 LIFE MAP,LLC代表
出版社や新聞社などを経て独立。1999年ファイナンシャル・プランナー資格取得。書籍やマネー関連の雑誌、新聞などで幅広く取材・執筆活動を展開する一方、企業のマネープランセミナー、投資信託・ETF(上場投信)セミナー等の講師などを務める。個人投資家の立場から金融商品・サービスの研究・分析を行うとともに、自らも投信積み立てや401Kなどを実践中。
投信やETFを活用し長期的な資産形成を考える個人投資家の交流会「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」発起人の1人でもある。主な著書に『投資信託にだまされるな! 2010年最新投信対応版』『たりないお金』(ともにダイヤモンド社)、『3000万円をつくる投資信託術』(朝日新書)などがある。
LIFE MAP,LLC
竹川 美奈子(たけかわみなこ)氏
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